ヒマの過ごし方帖。

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福原遥「透明クリア」 ― 一言じゃ済まないのかも。【3月前半に聴いた音楽】

【3月前半に聴いた音楽】

福原遥「透明クリア」

ここ数年、本屋に行くと「企画書は一言で」みたいなビジネス書をよく見かける。自分の職業柄、企画書をよく作る方だとは思うし、いろんな事柄をなるべく短いセンテンスでまとめなければいけない場面がある。もっと頭が良くて言葉を持っている人ならカンタンにできちゃうことなのかもしれないけど、世の中の色んな事象ってなかなか一言じゃ済まない。というか、そういうモノがほとんど。

新型コロナウイルスの対策でイベントがカラッカラになってるけど、やらないと経済的に死ぬ人もいるわけで。「レディースデー」を男性差別と叫ぶ人がいて。動物番組で人気のチンパンジーは、仲間はおろか、特定の人間にしかなつかなくなってしまって。漢字の「正しい書き順」って実はあるようでないようなもので。

「一言にする」って、相手に伝えるという点では非常に有効的だと思う。情報が最小限なのでわかりやすいの一点じゃないですか。でも、やっぱりそれって一面しか伝えられない気がして、そういうのが実は色んな人の生き辛さを生んでいたりするのかなって。

生き辛さを感じてる自分でも、無理やり一言にしてしまうことがあるので、本当に難しいことだと思うけど、もう1ステージ上の新しいモノができるし、そういうものが世の中(の特に若い人)に求められているような気もする。求められる世の中であってほしいな。

福原遥「透明クリア」のサビに『世界を変えてくものほど透明にできているの』 と出てくる。本当にそうだと思う。どっちつかずの色ってことではなく、透明だ!全部を網羅する透明!善意に対する卑屈さとか、性別とか、戦争とか、少しセンシティブな例えが彼女が持つ繊細さとフィットしていて良い歌詞だと思いました。

 

【これも聴いた3月前半】

▼CUBERS「WOW」

化粧品のCMソングだったら最高だなって思って調べたらその通りだったのでなんだか嬉しくなった。

▼在日ファンク「おかんむり」

怒りを糸口にグルーヴを生む、とのこと。「透明クリア」と似てるようで違う折衷案。MVの岡田サリオがカワイイ。

▼ふわふわ「ふわり乙女Beam」(※「プリンセス・カーニバル」収録)

これがついに音源化なのね…。当時の原宿駅前ステージには、「原宿乙女」という不遇なグループがいながら別の人気グループに"乙女"の名がついたこの曲を歌わせる不埒な展開に当時は複雑な気持ちに。イイ曲なだけに。小泉今日子ヤマトナデシコ七変化」オマージュだと思ってます。