堀込泰行「Sunday in the park+STUS」 ― 日曜日の夜、の感覚。【5月前半に聴いた音楽】
【5月前半に聴いた音楽】
堀込泰行「Sunday in the park+SUTS」(※「GOOD VIBERATIONS 2」収録)
日曜日の深夜って子供のころから特別な感じがした。日曜ってテレビもラジオも店じまいが早いし、外は人も車もほとんど見かけないし、家々の明かりもだいぶ少ない。世界がすごく研ぎ澄まされた感じがした。どこかホッとして、どこか寂しくて、あの感覚は他の曜日のどの時間にも存在しないと思う。
高校生の時なんかは、住んでるマンションの一番上の階に行って夜景を見たりしていた。当時、自分以外の家族は24時頃には寝てしまうような生活だったので、みんなが寝静まるのを確認したらこっそり抜け出していた。当時は夜中に外に出る行為なんて考えらんなかったのですごくドキドキした。家族が起きて部屋をのぞかれたりしたらバレでもしたらめちゃくちゃ怒られると思っていたので、そういう緊張感もあった。
実家は繁華街から少し離れた、ちょっとしたビジネス街にあるから夜景としては少し物足りない。それでも役所の赤いランプ(航空障害灯かな?)とか、日曜の夜中なのにビルの明々としたフロアで働く人影とか、そういうのをボーッと見ているだけでよかった。
最近は、日曜深夜の特別な感覚もだいぶ鈍くなった。ここ近年であまり曜日を意識したライフスタイルを送っていないし、特にこのご時世で日常が奪われてしまうような生活っぷりでそれが一気に消滅した。
「Sunday in the park+STUS」はそんな話とは全く真逆の日曜昼下がりの歌。世の中的に「土日が絶対休み」という習慣が年々崩れてきそうな状況だけど、日曜日午後の公園のなんとも言えない停滞した空気って令和の時代になってもあるんだなって思うとなんだか安心する。曜日が産む感覚とか気持ちは絶対にこれからの世の中もあってほしいとは思う・・・なんて月~金で働く会社員など経験したことない自分が言うのも変な話だけど。
ちなみにこのCDに入ってる「スウィートソウル(LOVERS VERSION)+LITTLE TEMPO」。キリンジの原曲ヴァージョンは屋上で夜景を見ながらよく聴いていた曲の一つ。
【これも聴いた5月前半】
▼Shin Sakiura「ほんとは feat.Kan Sano」
すごく向井太一が歌いそうなトラックだな…と思ったら向井氏のサウンドプロデュースをしている人だった。心地よいビート。
後半からシンセがグワングワン、ラップも入って全く雰囲気が違うものになるのが面白い。
「走り出す、無理をしないように」という歌い出しで掴まれた。全然関係ないけど、ジョギングするときに汗で何度もメガネがズリ落ちてくるのが不快だけど毎回そのことを忘れて走り始める。いい歌です。